2009年02月04日

路上演劇祭とは?

路上で行われる演劇を目にしたことがありますか?

 日本では、演劇はほとんど劇場、ホール、スタジオなどで公演されています。野外劇、街頭劇というスペクタクルもないわけではありませんが、演劇空間として特別に区切られた場所へ、愛好者が足を運んで鑑賞するというスタイルが一般的です。
 だれもが行き交う路上(広場や公演)で、大道芸以外の演劇をみることは全くと言っていいほどありません。演劇は、多くの人にとっては縁遠いもの、日常の生活とはおよそ関係のないものになっています。
 
 路上は、人々が交叉し、出会い、笑ったり泣いたりする場所です。そこではさまざまな出来事がおこり、時には問題も発生し、また微笑ましい光景も見られます。物売りや大道芸人、こどもの遊ぶ声、ときには祭りの行列、…路上は本来、日常と非日常が交錯し、ドラマも生まれる豊かな場所です。ところが、今、路上で目につくのは、次の目的地にひたすら急ぐ人、広告のためのティッシュ配り、経済活動から取りこぼされた人たち、行き場のない若者、…ドラマが消えた路上は、管理されたよそよそしい空間になってしまいました。

 日本ではほとんど見ることのない路上演劇ですが、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、またアジアでは、祝祭性、芸術性、そして社会教育的な側面をあわせもつ1つの表現形態として息づいています。また、まちを生き生きとよみがえらせ、さまざまな人々との交流をひらく新しい方法ともなっているのです。


路上演劇祭とは?
          2001年路上演劇祭Japan in 浜松「ブラジルの子ども達の演劇」


路上演劇祭とは?
               2001年路上演劇祭Japan in 浜松「砂山高足」


路上演劇の特徴

●人通りの多い路上(広場、公園、公共施設の前庭、駐車場、駅前など)で演劇を上演する。
●観客は道行く人、事前に公演情報を得てきた人、近所の人など、誰でも。
●上演は、演劇、マイム、音楽などの専門かだけでなく、教育、福祉などの関係者、また路上生活をしている人など、当事者が自分達の  状況を描き、観客と対話することもある。
●ジャンル・スタイルは問わないが、中心は社会的で身近な問題やテーマを扱ったソシオドラマ。
●ソシオドラマは、主に家族、学校、仕事、地域など、そこでの人間関係や構造などを描く。「当たり前」と見過ごしたり、「どうしようもない」とあきらめていることを見直す、あるいは「他人事」と無視していたことなどを、新たに発見する機能を持つ。
●自分にとっての異文化(知らないこと・ちがうこと)に触れることによって、自分自身の境界線を少し広げたり、踏み越えたり、引きなおしたりするきっかけに出会う。それは到来が確実視される多文化社会の扉を、笑いとユーモアを交えて開こうとするものである。
●上演だけでなく、上演に至るプロセス_テーマ_について知る、理解することを重視し、継続的な交流や新たな活動が生まれることを目指す。



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